2018年

6月

16日

ゴローと呼ばれた男:歌劇団Kamite夏のコンサート

歌劇団Kamite、今まで多摩地域を常に拠点としてきましたが、今回初めて都心での公演を試みます。 先日1月20日の《ジャンニ・スキッキ》/《ラ・ボエーム》で、《ボエーム》合唱メンバーが大活躍だったことは、関係者の皆さんにとってもご来場の皆さんにとっても、記憶に新しいのではないでしょうか...来る7月7日はこの合唱チームを構成していた若手歌手が再集合し、オリジナリティあふれるステージを展開します。


第一部はメンバーのご紹介も兼ねてのガラコンサートです(^^)「ご紹介も兼ねて」と書きましたが、地味にハードな曲が多いのが実態なので(!)なかなか聴きごたえあるのではと思います。オペラの笑いあり・涙ありな場面を色々上演した後には、トロンボーンの大きな独奏曲。そして日頃は演出として団を引っ張っております舘も、ピアノで登場する予定です。

第二部は《ゴローと呼ばれた男》というタイトルで、歌曲やアリアを繋げつつ、オリジナルの音楽劇を上演します。「ゴロー」とは《蝶々夫人》に登場する日本人のキャラクター。蝶々さんをアメリカの海軍士官ピンカートンの「現地妻」に紹介した張本人…ある意味で《蝶々夫人》の悲劇の引き金を引いた人物でもあります。特に《蝶々夫人》第一幕では言葉の端々に、蝶々さんとゴローの生き方の違いが出ています。

 

今回はそんなゴローに焦点を当てて、台本を書きました。どうして二人は別の生き方を選んだのか。そして蝶々さん亡き後、ゴローはどんな人生を送っているのか……そんなことを考えながら書いた、ちょっと切ない物語です。「ゴロー」という、いかにも当時の海外から見た日本人の名前にも、あえて意味を持たせてみました。もし彼が何らかの事情で、本当の名前を隠すために「ゴロー」と名乗っていたとしたら・・興味深いと思いませんか?ですから、台本のタイトルは「ゴロー」ではなく「ゴローと呼ばれた」なのです。こちらのピアニストには、かつての第1回オペラ公演《蝶々夫人》で演奏してくれた畠山正成君を久々にお迎え出来ました。彼を含めて出演者が総勢17名おりますので、具体的な役柄もあれば、抽象的な役柄もあれば、登場の仕方は様々。ですが、出番の物理的な多さや場面問わず、私としては一人一人に心を込めて今回選んだ曲を託したつもりです・・・・・・心込めすぎてすごい選曲になってしまいましたが(笑)

 

というわけで長文となりましたが、ぜひ七夕の日は高円寺Studio Kにお越ください!

 

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【歌劇団Kamite 夏のコンサート】

 

日時:2018年7月7日(土)13時半開演(13時開場)

会場:Studio K (高円寺駅徒歩約7分、スタジオ2)

入場料:3000円

予約/お問合せ:かみて音楽事務所(担当:森谷)

   TEL: 090-1776-9376  MAIL: opera.kamite@gmail.com

              HP: https://opera-kamite.jimdo.com

 

[キャスト]

 打越梨紗、小林可奈、前田理恵、松浦友香、山田裕香、吉川歌穂

 泉静、宇津木明香音、田中沙友里、星智恵

 大塚康祐、高橋拓真、武田聖智、町村彰、森谷健太郎、木戸大輔

 

[演出・演奏]

 舘亜里沙(第一部ピアノ/演出)

 畠山正成(第二部ピアノ)

 

[概要]

 第一部:歌劇団Kamiteスペシャルガラ・コンサート

 第二部:オリジナル音楽劇《ゴローと呼ばれた男》

歌劇団Kamite第二回公演にて《ラ・ボエーム》の合唱として大活躍だった若手歌手が、再び集いました。第一部では重唱や重奏の名曲を盛り込んだ、今回のメンバーならではのガラ・コンサート。第二部では、プッチーニの名オペラ《蝶々夫人》のもう一人の日本人登場人物ゴローに焦点をあて、オリジナルの台本とクラシックの名曲による音楽劇を展開します。蝶々さんを悲劇へと追いやった一人である彼の、本音は…?その後は…?

2018年

5月

09日

もうすぐ『星の王子様』

以前の記事でお知らせしました音楽劇『星の王子様』、いよいよお披露目の日が近づいています。

言いようのない胸の高まりを感じています。

いつもなら演出ノートに自分の思考の弁証(?)のようなものをグダグダと書いているのですが…今回は敢えて具体的なことは書きませんでした。その代わり、プログラムには選んだ声楽曲の「歌詞大意」なるものを挟み込んでいます。

「どうしてこれらの曲がこの場面に選ばれているのか」に対するお客さま各々の答えが、そのまま「演出ノート」になるのではと思ったからです。

 

ドラマ全体のテーマのように扱っているプーランク《愛の小径》etc.を歌うのは、王子様が忘れずにいる「薔薇の花」を演じる原千裕さん。大学の先輩ですが、ようやく共演が叶いました♪響き豊かな声と演じるごとに高まってゆく表現には脱帽です。今回は素敵なコスチュームとメイクでさらに存在感アップ(!!)してご登場いただきます。

 

チラシのキャッチフレーズにもある「大切なものは、目には見えない」、この言葉が発された後のシーンetc.を託しているのは、テノールの高橋拓真君。この人と出会ってからオペラを演出することが格段に楽しくなった、そんな風に思わせてくれる若手歌手です。役作りへの貪欲さと舞台上での機転には助けられます。今回は敢えてオペラではない演目に誘ってみたので、各シーンでどんな舞台姿を見せてくれるのか、楽しみです。

 

王子様が「自分の星に帰ろう」と決意するまでのシーンetc.を託したのは、バリトンの木村雄太君。彼との出会いは江古田での《コジ・ファン・トゥッテ》ですが、彼のグリエルモがあまりに面白く人間味に溢れていたので、今回もお誘いしてみました。前述のシーン以外にも独特の役回りがたくさんありますので、どんな風に演じてくれるのか、わくわくしています。

 

つい涙してしまう、王子様と飛行士の別れのシーンetc.を託しているのは、テノールの森谷健太郎君。長いこと苦楽をともにした(!?)歌劇団Kamiteの代表でもあります。ぜひ彼には実はこよなく愛しているフランス歌曲を歌ってほしかったので、お誘いしてみました。前々からレパートリーにしてきた曲も、今回のためにさらってもらった新曲も、どのように歌い演じてくれるか楽しみです。

 

そして歌と併せて欠かせないのが、ダンサーのお2人による身体表現です。ダンスシーン全般の振り付けと、王子様をもとの星へと送り出す蛇etc.をお任せしているのは、打越麗子さん。私の漠然~~…なイメージを、意外なかたちで想像以上のものへと仕上げてくれる、アイディアあふれる素敵なダンサーさんです。蛇はいったいどこから出て来るのか、いつ出て来るのかetc.楽しみにご覧いただければと思います。

 

ダンスに加えて「大切なものは、目には見えない」の名ゼリフをお願いしているのは、井野口美沙さん。王子様と唯一地球上で仲良くなるキツネetc.を踊ってもらいますが、可愛らしい動作と軽やかなステップにはいつもキュンとしています♪稽古も毎回懸命に取り組んでいただいて、とても感謝しています。

 

こうした歌手やダンサーのパフォーマンスが、最大のものになるためには、土台で物語の時間を采配している器楽の皆さんの力が欠かせません。

 

オープニングの《小さな星》etc.ドラマの要所要所の大事なテーマ旋律をお願いしているのは、チェロの加藤菜生さん。劇中で繰り返し登場する旋律を、場面ごとにどのように弾き分けてくれるのか、とても楽しみにしています。

 

飛行士が王子様に導かれて井戸を見つけるシーンetc.心温まる場面を託しているのは、フルートの斎藤久美子さん。私が大学で出会った一番好きな曲、聴いたら涙の止まらない曲であるゴーベール《マドリガル》をどうしても入れたくて、台本にフルートを入れさせていただいたのですが…久美子さんもゴーベール大好きだということで、とても嬉しく思っています。

 

そしてこのプロダクションの最功労者とも言えるのが、ソロも歌伴奏も器楽伴奏も一手に担い、また王子役である凱君の練習にも根気よくお付き合いいただいている、ピアニストの植村美有さん。美有さんの音色はいつも、音楽や人への愛に溢れていて…それがどのように本番の舞台へと投影されるのか、楽しみでなりません。

 

ようやく主演のお2人の紹介に入れました(^^)

 

今回主役の王子様を演じてくれるのは、5歳の植村凱君。最初はこの可愛らしいけど大人な演目を彼にこなしてもらうには、どうするのが一番よいのだろうと悩みましたが、お母さん美有さんのご協力もあって、台詞もあっという間に覚え、稽古では誰よりも元気いっぱい。きっとこの現場に関わった全員が、彼から幸せをもらっているのではと思います。

 

そしてこのプロダクションの礎でもあり、物語全体の語り手でもある飛行士役の大寺亜矢子さん。いつも各シーンの稽古になると、時間に追われて彼女の素敵なところを口にする時間が限られてしまうのですが…凛とした立ち姿、舞台全体を見渡してのバランスの取れた演技、音楽へのニュアンスの合わせ方、素晴らしいなと思っています。舞台上の存在が自然で、違和感がないということこそ、とてもとても難しい。ぜひ彼女の飛行士を多くの方に見てほしいです。

 

それにしても……この演目と付き合える時間もあと少しだと思うと、自分が台本に著した言葉や演じ手にお願いした動きの奥に込めた、色々な想いが急に込み上げてきて、自分の選んだ歌の詞が急に胸を締め付けるようになってきました。そして私自身も「大切なことは、目には見えない」の意味が本当にわかってきた気がします。

 

5月11日と17日、私達の王子様に、ぜひ会いにいらしてください☆

『La TELaviata3 -星の王子さま編-』

 

原作/アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』

翻訳/内藤 濯

上演台本・演出/舘 亜里沙

 

日程/2018年5月11日(金)・17日(木) 19:00開演/18:00開場(途中休憩有り)

会場/STAR PINE'S CAFE(吉祥寺)

チケット/前売:¥4,000+1drink、当日:¥4,500+1drink

 

今もなお世界中の人々に愛されている物語。

今宵は、フルート・チェロ・ピアノが奏でるフランス音楽の調べにのせ、オペラ歌手が唄い、ダンサーが舞い、演じます。

あなたは大切なものが、見えていますか。

 

CAST➖

王子さま★植村 凱(子役)

薔薇★原 千裕(ソプラノ)

星の住人達★高橋 拓真(テノール)

星の住人達★森谷 健太郎(テノール)

星の住人達★木村 雄太(バリトン)

キツネ★井野口 美沙(ダンサー)

蛇★打越 麗子(ダンサー)

飛行士★大寺 亜矢子(俳優)

 

Musician➖

フルート★齋藤 久美子

チェロ★加藤 菜生

ピアノ★植村 美有

 

Program➖

C. ポンセ《小さな星》

F. プーランク《愛の小径》

G. フォーレ《夢のあとに》

H. デュパルク《旅への誘い》

P. ゴーベール《マドリガル》

J. マスネ《マノン》より〈私が街を歩けば〉

C. グノー《ロミオとジュリエット》より〈あぁ、陽よ昇れ!〉

サン=サーンス《動物の謝肉祭》より〈鳥かご〉

C. ドビュッシー《星の輝く夜》

M. ラヴェル《ハイドンの名によるメヌエット》

C. フランク《夜想曲》

E. サティ《優しさ》

ほか

 

企画・制作/art project LA TRAVIATA co.

予約・お問い合わせ/la.traviata.co.20160503@gmail.com

 

2018年

4月

08日

《イリス》のご案内

先日からいよいよ稽古が始まりました。マスカーニ作曲《イリス》です。日本ものにご縁があるのか、《蝶々夫人》を2回もやらせていただいたうえに、決してメジャー演目とは言えない《イリス》まで回ってくるとは…。マスカーニと言えば《カヴァレリア・ルスティカーナ》の美しい合唱や間奏曲の音楽を思い浮かべる人も多いのではと思いますが、この《イリス》も本当に美しい音楽にあふれた作品です。《蝶々夫人》よりも象徴的なテキストが多いぶん、表現に戸惑うことも多いですが、精一杯取り組みたいと思います。

 

演目: マスカーニ作曲 歌劇「イリス」全曲

《原語上演・日本語字幕付・ピアノ伴奏》

 

【日時】2018年5月27日(日)14時開演

【会場】日本橋劇場

【入場料】全席自由4800円(中央区割引2400円)

 

 指揮:佐々木修

 演出:舘亜里沙

 ピアノ:小滝翔平

 イリス/福田祥子

 チェーコ/矢田部一弘

 大阪/上本訓久

 京都/飯田裕之

 ディーア/田中由佳

 小間物屋/木野千晶

 くず拾い/根岸一郎

 

主催:日本橋オペラ研究会

中央区文化推進事業助成対象事業

2018年

3月

05日

アドリアーナ・ルクヴルール

既にトップページではお知らせしておりましたが…

指揮の伊藤馨さんのお誘いで《アドリアーナ・ルクヴルール》を演出しています。
一昨年の『葵の上』以来なのではというくらいザ・女の情念な作品^^;

音楽に引き摺られるせいか自分が女性であるせいか、つい公爵夫人に感情移入してしまい、
作品に対してニュートラルでいることがとても苦しいのですが、

ようやく台本の解釈の余地を楽しめるようにもなってきたので、残る期間さらに研究してみようと思います。

皆さんの家にも置いてあるか掛かっているであろう「あるモノ」を、演出全体のキーにしています。
ぜひそれを確かめに(!?)いらしてもらえたら嬉しいです。

2018年

2月

28日

星の王子様

先日は歌劇団Kamiteの公演に来ていただき、ありがとうございました。
順次、この春の予定を紹介させていただきます。

この度、かの有名な『星の王子様』を、
近代フランス音楽をベースにした音楽劇で上演する運びとなりました。
台詞があるのはもちろんですが(笑)、歌曲あり、オペラ・アリアあり、室内楽あり、パントマイムあり、エアリアルあり、バレエあり……本当に色々なジャンルが融合したものになります。
最初に編成を聴いた時にはビックリしたのですが、
そして抽象的で哲学的で、それでいてメッセージの強いテキストに、
試行錯誤連発の台本執筆だったのですが、
今はどんな作品に仕上がるか、とてもとても楽しみです。
戦時中のパイロットだった原作者サン=テグジュペリの生涯にも
強い関心を抱いています。

『La TELaviata3 -星の王子さま編-』
原作/アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』
翻訳/内藤 濯
上演台本・演出/舘 亜里沙

日程/2018年5月11日(金)・17日(木)
           19:00開演/18:00開場(途中休憩有り)
会場/STAR PINE'S CAFE(吉祥寺)
チケット/前売:¥4,000+1drink、当日:¥4,500+1drink
 

今もなお世界中の人々に愛されている物語。
今宵は、フルート・チェロ・ピアノが奏でるフランス音楽の調べにのせ、オペラ歌手が唄い、ダンサーが舞い、演じます。
あなたは大切なものが、見えていますか。

CAST➖
王子さま★植村 凱(子役)
薔薇★原 千裕(ソプラノ)
星の住人達★高橋 拓真(テノール)
星の住人達★森谷 健太郎(テノール)
星の住人達★木村 雄太(バリトン)
キツネ★井野口 美沙(ダンサー)
蛇★打越 麗子(ダンサー)
飛行士★大寺 亜矢子(俳優)

Musician➖
フルート★齋藤 久美子
チェロ★加藤 菜生
ピアノ★植村 美有

Program➖
C. ポンセ《小さな星》
F. プーランク《愛の小径》
G. フォーレ《夢のあとに》
H. デュパルク《旅への誘い》
P. ゴーベール《マドリガル》
J. マスネ《マノン》より〈私が街を歩けば〉
C. グノー《ロミオとジュリエット》より〈あぁ、陽よ昇れ!〉
サン=サーンス《動物の謝肉祭》より〈鳥かご〉
C. ドビュッシー《星の輝く夜》
M. ラヴェル《ハイドンの名によるメヌエット》
C. フランク《夜想曲》
E. サティ《優しさ》
ほか

企画・制作/art project LA TRAVIATA co.
予約・お問い合わせ/la.traviata.co.20160503@gmail.com

この世界に、素敵な大人が増えますように、、
そう願いを込めた作品です。
冒頭にご登場のウワバミさま。こんなぬいぐるみを見つけたので買っちゃいました♬

舞台写真はGalleryページをご覧ください!